痛みがあると、身体の“先回り”が変わる
前回、身体は手足を動かす前に、
無意識で体幹を安定させて準備しているという
お話をしました。
身体は、手足を動かす前に、安定して動くように無意識に
先回りして体幹の筋肉に力を入れて準備しています。
痛みがある場合も同じように反応する?
では、もし「痛み」があったらどうでしょう?
例えば、
・足首を捻挫した直後に、普通に歩けるでしょうか?
・腰が痛いときに、何も気にせず椅子から立ち上がれるでしょうか?
・肩が痛いときに、痛みがあることを忘れて
高い所のものを取れるでしょうか?
おそらく、身体は痛いところを守ろうとして
自然と動きを変えます。
つまり、
痛みがあると、
身体は「いつも通り」に動かせなくなることがあります。
痛みは「筋肉を弱くする」だけではないんです。
痛みがあることで、
- 筋肉が働くタイミング
- 力の入れ方
- 身体の使い方
- 動き方
そのものが変わる可能性があります。
論文で紹介されていました
2003年、Hodgesらは、
筋肉に痛みを起こした状態で
腕を動かしたとき、
体幹の筋肉がどのように働くのかを
調べました。
〇結果
痛みがないときと比べて、
体幹筋の活動のタイミングや
働き方に変化が見られました。
つまり、痛みがあると、
身体は動く前の準備がうまくできなくなることがあります。
痛みがあると身体の反応が変わる
痛みがあると身体が変わる。
でも、それは必ずしも
「身体がおかしくなった」ということではありません。
むしろ、
痛いところを守るために、
身体が一生懸命対応しているとも考えられます。
例えば、
・痛いから痛くないよう動こうとする
↓
・痛みを避けるような動きになる
↓
・いつもの動きとは違う動きになる
ということが起こる。
「身体は壊れているから変わるのではなく、
守ろうとして変わっているのかもしれません」
痛みのために無意識で変わっているところに注意
整体院で患者さんを診ていると、
「痛いから動かしにくい」という方がたくさんいます。
でも、そこで「痛いところだけ」を見てしまうと、
身体で起きていることを見落としてしまうことがあります。
例えば、
「腰が痛い」場合
腰だけを見るのではなく、
「腰が痛いことで、身体のどこが働きにくくなったのか?
働き方が変わったりしているのか?」
を探っていきます。
では、
痛みによって身体の動きが変わってしまったら、
どうすればいいのでしょうか?
「痛いところを鍛えればいい」
「筋肉を強くすればいい」
それだけではないかもしれません。
次回は、「筋力」だけでは説明できない
身体の使い方についてお話します。
最後までお読みいただきありがとうございます。
参考文献
Hodges PW, Moseley GL, Gabrielsson A, Gandevia SC.
“Experimental muscle pain changes feedforward postural responses of the trunk muscles.”
Experimental Brain Research. 2003;151(2):262-271.
(実験的な筋痛が、体幹筋のフィードフォワード姿勢反応を変化させる)
doi:10.1007/s00221-003-1457-x
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