「誰にも習っていないのに、
身体は動く前から準備している」
こんにちは。木村建雄です。今日も身体の不思議について
聞いてください。
仕事をしていて「身体はこんな働きあるのかな?」
て思ったことが、論文で研究されていたので
紹介させて下さい。
☆「勝手に(無意識で)調整している!」☆
日常生活動作の一例です。
・棚の上にある物を取る。
・洗濯物を干す。
・電車のつり革を持つ。
何気なくする動作だと思います。
共通するのは「腕を上げる」という動作です。
このとき働いているのは、腕の筋肉だけだと思われますか?
まあ、こんな言い方されると
「そうじゃないんだ」
と思われる方が多いと思います。
その通り、腕だけが働いているわけじゃないんです。
例えば、
腕を動かすとき身体の中心がグラグラしたら、
うまく力を伝えられると思いますか?
実は、腕を動かすとき、
私たちが意識していないところでも、
身体はいろいろと、動くための準備をしています。
しかも面白いのは、
腕が動いてから身体を支えるのではなく、
腕が動く前から、身体は準備を始めている
ということです。
私たちは、
「よし、今から体幹を安定させて、
それから腕を上げよう」
なんて考えていませんよね。
棚の物を取ろうと思えば、自然に腕が伸びます。
でも、その何気ない動きの裏側では、
私たちが意識していないところで、
身体が先回りして準備してくれている。
誰かに教えてもらったわけでもないのに、
身体はそんなことを毎日、勝手にやってくれているんです。
これって、すごいことだと思いませんか?
私はこの身体の仕組みを知ったとき、
「人間の身体って、ほんまによくできてるな」
と思いました。
「腰を守るためには、腹横筋が大事です」
「腰を守るには、腹横筋が大事です!」
そんな話を聞いたことがある方も多いかもしれません。
私自身もこれまで、
「腹横筋をしっかり働かせることが、腰痛予防に大切!」
ということを患者さんにお伝えしてきました。
もちろん、腹横筋はお腹のインナーマッスルと
言われていて大切な筋肉です。
でも、最近読んだ論文を見ていて、
「身体は、腹横筋だけで支えているわけではないんだな」
と思いました。
腕を動かすとき、働いているのは腹横筋だけではありません。
私たちが腕を動かすとき、「腕の筋肉だけが働いている」
と思うかもしれません。しかし、身体の中では、それ以外の筋肉も
一緒に働いています。
お腹の横にある内腹斜筋や外腹斜筋、
背骨の近くにある多裂筋、腰の奥にある大腰筋など、
いろいろな筋肉が関わっています。
「えっ?肩を動かすのに、大腰筋や多裂筋まで??」
肩を動かすときに、一見すると肩に関係のなさそうな
大腰筋や多裂筋まで働いている!
ここが、私がこの研究を面白いと思ったところです。
大腰筋は、腰の骨から股関節につながる筋肉です。
多裂筋は、背骨の近くにある筋肉です。
どちらも、腕を動かすための筋肉ではありません。
それなのに、腕を動かすときには、
一見関係ないと思われる筋肉も活動していました。
どうしてだろう?
私は、
「やっぱり、腕を動かすためには
腕だけを動かせばいいわけではないんだ」
と思いました。
「腕を動かすため、その土台となる身体の中心も
安定させるように働いているのかな?」
身体は一人ではなく、チームで働いている
身体の筋肉は、
「この筋肉だけが大事」
というものではないです。
腕を動かすとき。
腹横筋だけが頑張っているのではなく、
多裂筋や腹斜筋、大腰筋など、
いろいろな筋肉が協力して働いています。
まるで、チームスポーツのようです。
チームスポーツでは一人だけが頑張っても、
うまくいきません。
それぞれの選手が、自分の役割を果たしながら
協力することで、チームとして動くことができます。
身体も、少し似ているのかもしれないと思いました。
この「チーム」、動いてから集まるわけではありません
最初に、身体は腕が動く前から準備していると
お話ししました。
面白いのはここです。
腹横筋、多裂筋、大腰筋などが、腕が動いてから
慌てて働くのではなく、
腕の動きに合わせて身体の中で準備している。
つまり、身体はただチームで働いているだけではなく、
タイミングまで合わせているということです。
私たちが普段何気なくしている
「腕を動かす」という動作も、
実は身体の中では、いろいろな筋肉が
タイミングを合わせながら
働いているのです。
ほんと。人間の身体って面白いですよね。
無意識でこんな動作が勝手に起こって、
身体をスムーズに動かしているんです。
誰にも習っていないのに。
もしかしたら
20年以上臨床をしてきて感じたことがあります。
この無意識の反応が崩れることと、
肩こりや腰痛は関係あるんじゃないかな?
筋肉が働くタイミングがズレることで、
身体のどこかに負担がかかっているのかもしれない。
この研究を読んで、そんなことを改めて考えました。
「腹横筋だけ鍛えればいい」ではないのかもしれません
もちろん、腹横筋が大切ではない、ということではありません。
腹横筋も、身体を支えるために大切な役割をしています。
ただ、
腹横筋だけを見ればいいわけではない。
身体にはたくさんの筋肉があり、それぞれが関わりながら動いています。
そして大切なのは、
一つひとつの筋肉の強さだけではなく、
筋肉同士がタイミングを合わせて
協力できていることなのかもしれません。
今回の研究を読んで、私はそんなことを考えました。
まだ興味をそそる内容がたくさん
そして、もう一つ面白い結果がありました。
同じように肩を動かしているのに、
左右によって、働く筋肉のパターンが違っていたのです。
なぜ、そんな違いが出るのでしょか?
なぜなのでしょう?
次回は、ここをもう少し見ていきたいと思います。
【参考にした論文】
肩関節運動における体幹筋の筋活動開始時間解析
~体幹のPreparatory motion(予備運動)に基づいたフィードフォワード活動~
2022年度
北海道医療大学大学院リハビリテーション科学研究科
リハビリテーション科学専攻
生体構造機能・病態解析学分野 氏名:山根 将弘
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